岡崎京子作品の表紙・背表紙一覧

id:sitebbiwさんの(いつもながらの)労作が。
岡崎京子の単行本を探すためのヒント
海外版と日本版を見比べたりするのも楽しい。帯もかなり残っていてデータとして貴重。ほんとは出版社か公的機関がこういうのやるべきだよなぁ。というのはマンガ研究者の人たちがよく言ってますけど、本当にそう思う。ほっとくと何も残らないよ。

んで並んだ表紙を見ながら岡崎京子作品の装丁について考えたり、ラジバンダリ。
文藝別冊・総特集岡崎京子河出書房新社)より

装丁
 岡崎は、単行本あとがきで装丁に謝辞を述べることが多い。そこに作者の単行本へのこだわりが見てとれる。岡崎のこのスタンスは最初の単行本『バージン』を自ら編集したときから変わらない。彼女にとって、単行本は、単に読み捨てられる「もの」ではなく、所蔵する「もの」であるという認識が強かったことは間違いないだろう。また『pink』の単行本ではカバーについていたピンクの帯はずすと、主人公ユミちゃんのヘアーが見えるという趣向、その俗な仕掛けは、一種の自主規制の遊び心か。
 装丁でよく見られる名前は『好き好き大嫌い』、『カトゥーンズ』、『愛の生活』などをデザインした坂本志保。特に『好き好き大嫌い』は「かなり好きな本」(『月刊カドカワ』九〇年八月号)と述べている。
(「岡崎京子を読み解くためのキーワード集」より/この項の執筆者:ヤマダトモコ

坂本志保の装丁はほんとにいい。岡崎京子と最も相性のいいデザイナーだったんじゃないかと思う。
ていうかですね、さっき坂本志保についてググってこの記事読んだんですが
第1話 ほんとは編集者になりたかった | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-(読むには無料の登録が必要)
これ読むと、坂本さんにとって最初の装丁の仕事が岡崎京子『ボーイフレンドISベター』だったらしい。『ボーイフレンドISベター』の装丁のポップでガーリーな感覚はその後も繊細さを増しつつ岡崎作品の装丁の基調になっているように思う。
なんだかこの二人は"同志"という気がします。このコンビで個人的に一番好きなのは『カトゥーンズ』かな。全部いいけど。
その他の岡崎作品の装丁の有名どころ:

    • 祖父江慎…『危険な二人』はそうでもなかったけど、『ヘテロセクシャル』はすごく強烈で決まってると思う。
    • 信藤三雄…『東京ガールズブラボー』の装丁を手掛けてます。ピチカートとかフリッパーズのCDジャケの人ですが、イメージまんま。
    • 鈴木成一…『ハッピィ・ハウス』2001愛蔵版を手掛けてます。コンセプトをソツなくキレイに。
    • 宮川隆…『ハッピィ・ハウス』1992版はこちらだった。小学館的シルエットのマークがカワユス。
    • 野本卓司…『リバーズ・エッジ』や『ヘルタースケルター』、『うたかたの日々』と重要な作品を手掛けてます。『うたかたの日々』はハードカヴァー・箱入りでページの角が丸かったりして、コレクター仕様だ。
    • 久住昌之…『退屈が大好き』(カワデ・パーソナル・コミックス版)。意外なようなそうでないような取り合わせ。まあカワデ・パーソナル・コミックスはそういう(ガロ系の)シリーズだったからなー。