曽野綾子『二〇五〇年』(『小説新潮』1月号)

先日Webで見かけた記事の中にこういうのがあって −−今年の目標は 曽野 何十年と小説を書くことだけが楽しみなので…。昨年末に「2050年」という小説を書いたんです。2050年の日本はどうなっているかという話です。悲惨な内容になりましたけど。 −−超…

俺たちのブログの更新はこれからだ!

というエントリーを最後にブログの更新をやめる、というのを考えたが別に面白く無いのでやりません。

勲章とか

大友克洋が紫綬褒章もらうそうで、そのニュースを知った時、私は吾妻ひでおの『アル中病棟』を読んでたので、先に吾妻ひでおにあげろよ、と思った。 もちろん大友克洋の作品は凄い。でもくーるじゃぱん云々とか言うなら吾妻ひでおは秋葉原文化の創造神だろ。…

ルー・リード

(削除)

滑らかな言葉

飯島耕一の訃報で、 関係ないんだけど、以前日本語が堪能な外国人というふれこみの人が、日本の戦後詩についてエントリ書いてて(そこに当然飯島耕一の名前も出てた)、それを読んで、内容はともかく、その書き方に強い嫌悪を抱いた。そのことを思い出した。…

エリジウム

フィリップ・K・ディックというSF作家がいまして。今更説明するまでもなく、いくつもの作品がハリウッド映画の原作になってるーーでも生前は不遇だったーー有名な作家ですけども。 彼のSFの特徴として、誰だったか、評論家が書いてたんだけど、彼は"CMを流す…

地獄でなぜ悪い

ヤクザの抗争とボンクラ映画青年たちが合流して狂乱の一夜を作り出す。70年代筒井康隆作品をそのまま実写化したようなブラックな笑いに満ちたスラップスティック。 冒頭から自主制作映画風の無責任で自堕落な雰囲気が充満してるので、こういうのが駄目な人は…

大江健三郎『文学ノート』より

『文学ノート』は大江が長編『洪水は我が魂に及び』を書いてるときに並行して執筆した、「小説を書くこと」についての一連のエッセイ。だいぶ前にブックオフで買って積ん読だった。 その中の『書かれる言葉の創世記』という章に出てくるエピソードが面白かっ…

風立ちぬ

箇条書きでメモ 『ポニョ』以上に監督の脳内世界へ没入した感があって観終わった後影響が抜けない。夢と現実が交錯する作りなので"夢酔い"する。リアリティのラインが宮崎駿だけに許される自在さで動いている。 音響がモノラルで人の声を多用しているのが、…

立候補

泡沫候補と呼ばれる人たちのドキュメンタリー。 外山恒一の有名なテレビでの演説から映画は始まる。 それから2011年、大阪府議選でのいわゆる泡沫候補達の選挙活動の様子が映し出される。 大阪府庁の前で始めるマック赤坂の選挙演説、"Do The Hastle"にあわ…

Jason Thompson's House of 1000 Manga での『フランケン・ふらん』の記事

前から木々津克久『フランケン・ふらん』は好きだったんだけど、ここ数日なぜだか知らんが自分の中でブームが再燃して漫画を読み返したり検索してレビューを読んだりしてた。その中で気づいたんだけど英語圏にも結構ファンが居るねこの作品。自分の好きな漫…

TextMixer

というものを作った。 http://dice.que.jp/textmixer.htmlページ下の説明に書いてるけどAとBの文章をミキシングするツールです。「文章のクロスフェード」というのをやってみたくて作った。ソースとして使う文章は語彙や文体に特徴のあるほうが面白いです。 …

欲望のバージニア

音楽と脚本をニック・ケイヴがやってる。去年Youtubeでこのサントラを聴いたら、White Light / White Heat のカントリーヴァージョンがあった。パンク等の名曲をカントリーでカバーしてるらしい。これは観に行こうと思ってたが、こんな、うっかりみすごしそ…

Nerd Girlの逆襲

前の記事書くときに検索してて引っかかった記事Idiot Nerd Girl | Know Your Memeがちょっとおもしろかったのでメモ。インターネットで流行る馬鹿画像というのはたくさんある。2010年に登場した"自称オタクの馬鹿女"画像もその一つ。てのひらに「Nerd」と描…

NerdとGeek

日本語ではともに"おたく"と訳されるNerdとGeekだけど、その意味はちょっと違うよ、という記事の紹介。 On “Geek” Versus “Nerd” – Slackpropagation 英語でもNerdとGeekは同義語と思われてるけど、でもちょっと意味が違う。この記事の著者Burr Settlesさん…

映画.comのタイムテーブルをバー表示するBookmarklet

映画の日なんかに映画見に行く時、ハシゴして何本かみたい時ありますね。 で予定を立てようと映画情報サイトに行くんだけど、だいたい開始時刻が羅列してあるだけで、頭のなかで計算しなきゃいけない。 タウン誌の映画欄だとタイムテーブルが並べて表示され…

大江健三郎の推敲

いや、tumblrで大江健三郎の原稿の画像を見かけたもので。 『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』(文庫では『美しいアナベル・リィ』に改題)の冒頭だ。 この原稿から最初の文章を読み取ってみた。 肥満した老人が、見るからに重たげな樹脂製のたわ…

イーヴリン・ウォー『囁きの霊園』(The Loved One)

ちょっと前にブックオフでイーヴリン・ウォー『囁きの霊園』が105円で売ってるのを見つけた。 映画化もされた有名作品ながら長く絶版だったので、amazonで見るとちょっとプレミアついてる。今だと3800円だ。105円で買えてもうかったワーイ(せこいっ)。ブラ…

ある誤読

映画『國民の創生』についての、町山智浩さんのWeb連載から 異人種混交への恐怖は、原作者トーマス・ディクソンのテーマだった。『クランズマン』(1905年)の前に彼が書いた小説『豹の斑点(はんてん)』(1902年)にも、サイラスと同じく、白人の友人の娘と…

『25時のバカンス』(市川春子)の保養所の2階の間取り

『25時のバカンス』初読時に、あることに気づいてブログに書こうと思ったが途中でやめてーーで、久しぶりに思い出して、やっぱり書いとこうと思って作品を読み返した。 そしたら自分の大きな見落としに気づいて愕然とした。 …でも(気を取り直して)書く、と…

AMSFF 2013

先日『アニメーションと音楽のショートフィルムフェスティバル 2013』というものに行ってきた。 音と映像のシンクロをテーマにしたショートフィルムが22本と、岸野雄一氏のレクチャーと、ギャングポル&ミットのライブ、というメニュー。ギャングポル&ミッ…

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…なんかもー、年末も新年も気分悪くて、や、帰省してた兄の家族と過ごした時間は楽しかったけど、久々にテレビ観てよく笑ったりもしたけれど、それとは別のレヴェルで常に気分が低いところをぐるぐるぐるぐると巡ってて、もうやけくそで叫ぶ以外やることない…

11月に観た映画メモ

キック・オーバー 面白かった。これは拾い物。拾えて嬉しい。 最初は舞台設定があまりに荒唐無稽に思えて、ほとんどSFーーというかメル・ギブソンが日活無国籍アクションに出ているような錯覚を覚えたが、あとで調べたらあの無茶な刑務所には一応モデルが実…

10月に観た映画メモ

アイアン・スカイ 月からナチがやってくる映画。たのしい。 スターログという昔のSFビジュアル誌のことを思い出した。この映画はなんとなくスターログっぽい気がする。といってスターログをリアルタイムで読んでたわけでもないんだけど。SFというジャンルに…

ネットとクレカとデモ

数日前の落雷で自宅のADSLモデムがどうやらイカれてしまったようだ。インターネットに繋がらない。モデムが落雷でこのザマというのは2回目なので、そろそろADSLもやめどきかと思った。 光回線にするか。光もいいけど、工事費がかかる。それより何より、私は…

水族館劇場『NADJA 夜と骰子とドグラマグラ』

久しぶりに訪れた博多埠頭は風が強かった。昔は博多パラダイスと呼ばれていたタワーの横を通り過ぎると、砂利敷の駐車場に、見慣れない芝居小屋のシルエットがくろぐろと見えた。鉄パイプで組まれた櫓に絡みつく樹木の枝が、この小屋の経てきた永い時間を感…

チェルフィッチュ『現在地』

イムズホールで昼間に観た。前売り買いそびれたから早く行かないと席がないかも…と思ったが、開場30分前で余裕でした。なんかもっと行列とかできてるのかと思ったよ。 チェルフィッチュの舞台を観るのは初めてだ。仮設的に作ったスターバックス、という感…

ル・アーヴルの靴みがき

カウリスマキの新作。鼻の赤い酔っぱらいがこんなかわいい映画を撮ってどうする、みんな誤解するぞ、と思うのだが、まあかわいいのは事実なので仕方がない。ル・アーブルの港町の風景のなかにくっきり浮かび上がる黒人少年の頭の輪郭がきれいでした。 ざっく…

別離

イラン映画。観てるとどんどん後悔の念が強くなる。この映画を観たことを後悔してるんじゃなくて、登場人物たちが重ねる小さなあやまちやごまかしに胸が痛くなる。この映画に出てくる人たちは誰一人として悪人ではないんだけど、お互いにからまりあい大きく…

4月に観た映画メモ

メモだけでも書かないと忘れてしまうでな。 ドライヴ これは変な映画でよかった。日常世界に対する異物としての暴力の描き方は塚本晋也を連想した。ところどころリンチ的だったりもする。でもって監督はホドロフスキーへのオマージュだと言ってるそうで。 ス…