マンガ産業論

マンガ産業論

マンガ産業論

様々な統計データを使ってマンガ市場の変遷を実証的に描き出す試み。団塊の世代の成長を一つの牽引力として、マンガ市場が領域を拡大し複雑化していく様子はとても面白い。拡大するマンガ消費者層を示す成長する球のような図が文中にあるけど、90年頃までのマンガ産業は膨張する宇宙みたいだったんだなあと思う。80年代以降は自分の記憶とも摺り合わせて読めてこれまた面白い。そういえば当時子供のくせにスピリッツのめぞん一刻をスクラップしている同級生がいたなあ。
んで問題は牽引力を失った今後のマンガ状況の行方ですね。メディア環境としては今も進化し続けているけど、そこに新しい消費者が入ってきてくれるかはわからない。膨張は縮小に転じるのか、それともまったく新しい状況が始まるのか。子供の読者が大事だよなあ。たぶん。
日本のマンガが一過性の…数十年の寿命しかない現象だったらと想像するとちょっとコワイ。