風立ちぬ
箇条書きでメモ
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- 『ポニョ』以上に監督の脳内世界へ没入した感があって観終わった後影響が抜けない。夢と現実が交錯する作りなので"夢酔い"する。リアリティのラインが宮崎駿だけに許される自在さで動いている。
- 音響がモノラルで人の声を多用しているのが、監督と二人っきりの部屋に閉じ込められて耳元で語られているような効果を生んでいる。そんなの怖いと思われるかもしれませんが、実際怖い。
- "戦前の日本萌え"映画としては凄いものがあると思う。そのへんの昭和ノスタルジー映画なんて目じゃない美しい日本が本気で描かれている。
- モブシーンが多くてにぎやかだが、主要登場人物以外は背景のレイヤーにいて関わってこない感覚がある。このレイヤー感覚、背景との隔絶は『ポニョ』でもちょっと感じたが衰弱なのか作風の変化なのかわからんとこがある。
- 主人公とヒロインと主人公の妹が成人しても"少年少女の顔"を持ってるのがどこか不気味なのだけど、この不気味さを完遂するのが宮崎駿であり日本のアニメーションだよな。
- そのヒロインの顔が大写しになる所で観客席を見るとこの映画の監督が真っ白になって動かなくなっていた、というのがこの映画の正しい終わり方のような気もしますが。
- 観客をわりと本気で殺しにかかってる映画なのではなかろーか。
- だからこそのコピー"生きねば" お、おう…
- 些細ながら気になったとこ:スーツの上着を着たまま製図したら袖が汚れませんかね。