リミッツ・オブ・コントロール

殺し屋がランキングされ、すべての殺し屋がナンバー1になろうとしのぎを削る世界。ナンバー3の花田五郎は、ある人物の護送を依頼され、その任務中にナンバー4の高とナンバー2の佐倉を倒してナンバー2の座を獲得する。しかし、栄光の座についたのも束の間、部屋中に蝶の死骸を散りばめ自らも死に取り憑かれた謎の女・美沙子に依頼された狙撃に失敗した花田は、彼をナンバー2の座から蹴落とそうとする殺し屋たちの追撃を受ける羽目になる。挑戦者をすべて倒した花田の前に最後の敵として現れたのは、正体不明の伝説の殺し屋ナンバー1だった。


いやそれは別の映画だ*1


「自分こそ偉大だと思う男」を殺せ、という指令を受けた男がスペインに飛んで、方々で宿泊し、カフェでコーヒーを飲み、謎めいたメッセージを受け取り、街を歩き、鉄道で移動し、美術館で絵を眺める。


殺し屋がマッチ箱でメッセージを受け取るんだけど、箱の中から小さな紙片の暗号メモ取り出して、読んだ後毎回メモを食べてコーヒーで呑み込むんだよね。あんなにしょっちゅう紙を食べて大丈夫なのか、それとも食べられる紙なのか、と気になった。まあちっちゃな紙切れだけども。


殺し屋の前に現れるメガネっ子はよかったですね。だいたいいつも全裸でプール泳ぐときもメガネ外さないっていう。なんだそれアニメキャラか。全裸メガネの女の子と服を脱がないままの殺し屋がベッドに寝てる画面は、なんだか全盛期の江口寿史のイラストのようなエロかわ面白さがありました。


しかし…寡黙で眠らない殺し屋の男は見てて面白いし、イメージは細部まで完成されてるんだけど、なんかのれなかったなー。寓話としての構造はシンプル。絵画の使い方は穏当。路上の場面はNHKの「世界ふれあい街歩き」のほうが刺激的かなあっていう。


最後に殺し屋が宿泊する部屋、梱包された絵画のようなものが壁にあるのだけど、赤瀬川原平の梱包絵画作品をぼんやりと思い出した。江口寿史とか赤瀬川原平とか、どうも思い出すものが微妙に古いな。