銀の三角
数日前にtwitterのTLでぱんさんが萩尾望都『銀の三角』に触れてた。
それでなんとなく『銀の三角』を引っ張り出して読み返したら…もう何度も読んだけど、やはり引き込まれる。
以下『銀の三角』ネタバレなので畳みます。まあ1982年の名作にネタバレもないかもしれないけど。
夜中にこんなものを作った。
『銀の三角』時空チャート
多分もっと精緻でわかりやすい図を作っている人はいると思う。
しかしこの手のチャートを作ると、自分がよくわかってなかったところがわかってよいです。
実はこれまでマーリー1のタイムスリップの部分がいまいちよくわかってなかった(ええー)。
マーリー3の前に最初に現れたマーリー2がどこから来たのかも、チャート作ってる途中でやっとはっきり意識した(えええー)*1。
しかしよくまあこんな構造考えついたな。英訳して欧米SFファンに紹介すべき作品だよなー。この物語構造・世界観は驚異だ。
こうやってチャートを作ってみると、これは古代地球の岸辺からきたエロキュスが自分の名前と歌を取り戻し、再び岸辺に帰って行くまでの物語なんだなと思う。
ラグトーリンの視点からは、これはル・パントーの魂を鎮め、解く歌を手に入れるまでの物語という事になる。
最初の場面(ラグトーリンが語る"いのりの朝")と最後の章のマーリー2が死ぬ場面は、図式にするとこんな感じで対称形になってる。
この物語は"祈りの歌による原初の生の始まり"から"祈りの歌による最後の死の葬送"までの物語という言い方もできる。
…なんか完全に四半世紀前のSFファンモードだな。まあいいや。
『マージナル』でも感じたんだけど萩尾望都は死や消滅する事への願望を尋常でない強さで語る時があって、引き込まれるんだけど、一体なんなんだろう、と思います。
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1994/09/01
- メディア: 文庫
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*1:あれ、今読み返したらチャートの間違いに気づいた。あとで訂正します