ハンミョウ他


家の玄関周辺にハンミョウがたくさんいる。グリーンとオレンジの背中を見せて弧を描いてひょんひょん飛んでいる。その運動の軌跡がなんだかCGっぽい。超小型スパイメカとかそんな感じ。
ハンミョウというと安部公房の『砂の女』思い出す。『砂の女』の主人公はハンミョウ追いかけてて砂丘の村に入り込むのです。
調べるとハンミョウは肉食なんだそうで。うちの生け垣周辺ではいろいろ狩ったり狩られたりしてるのだろうなあ。



某所にてなんとなく山本直樹の昔のマンガを読みかえす。『BLUE』とか。
今より絵は洗練されていない。でも描きたいものははっきりしてる感じの絵。
とてもえろい。えろマンガだからね。
映画的だ。映画青年だったんだね。
山本直樹は「あんなコがあんなことを」と思わせるような女の子の描き方がうまい。「あんなことを…」と見る側の心の痛み込みで興奮させようとする。少女マンガから輸入されたテクニックが混じってるような気がする。まーでも映画の影響かなあ。
要所要所に叙情的な風景を入れて来る。これも映画的。
それにしても助平だ。



机の上を小さな蚊がふらふらと飛んでいたので掌で抑えた。掌をどけると弱々しく動いていた。
弱ってるところを申し訳ないが指先で潰す。腹が破れて血がたくさん飛び散った。色鮮やかな赤で吃驚する。全部私の血だ。




夜、自転車で走ってたら、スナックの横で白い服を来た大柄な男が腕に顔を押し当てて声をあげて泣いていた。
とても悲しそうに泣いてた。たぶん酔っていたのだと思うがわからない。
夜に外で泣くのはちょっと気持ち良さそうでもあった。しかし、旧友の死を知らされて…とかだったのかもしれず。なんとも言えない。



昨日今日と月が丸い。虫が鳴いてる。秋だ秋。
お月様のもとで自転車をこいでいると何故か猛然と腹が立ってきた。何に対してかはわからない。