うつうつひでお日記(吾妻ひでお)

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

日記だ。恐ろしいほどにただの日記なので、『失踪日記』のような、それなりに起伏のあるエピソードを求める人にはお勧めできません。著者のインタビューで古川緑波山田風太郎の日記を引き合いに出してるが、確かにそんな感じ。といっても私は風太郎の日記しか読んだ事は無いのだけど。
つーかこれ、他の人も書いてたけど、Webでやればそのまんまブログだよね。絵日記系ブログ。それを2年分まとめて読む感じ。
鬱に悩まされつつ、薬かじりつつ、図書館で借りた本読みつつ、大西ユカリCKBとジャックスを聴きつつ、納豆そばをすすりつつ、少ない仕事をこなしていく、月収4〜5万円の日々(退院してから『失踪日記』が出版されるまでの時期)が淡々と記録されています。
仕事の合間に息抜きでイラスト描きながら
「なんで仕事も遊びも絵描きなんだ?」
と自問するところがあるけど、それを記録してる日記もマンガなんだから考えると恐ろしいものがあります。
徹底して内向きではあるが、吾妻ひでおは自己を相対化する視点に長けた人なので(表現者としては…実際にはアル中になったり失踪したりしてるわけだが)、面白く読めました。
あとやっぱり吾妻さんの描く女の子の絵はかわいい。私は小倉優子は別に好きじゃ無いけど、吾妻絵の小倉優子は良いです。