ヴォネガット『スラップスティック』原案の映画

id:kokada_jnetさんのblogで、ヴォネガットの『スラップスティック』を原案にした映画があることを知る(http://d.hatena.ne.jp/kokada_jnet/20080514#p2)。そんな映画があるとは知らなかったので驚く。ハヤカワ文庫の解説には書いてあったっけ?
しかし映画の主演はジェリー・ルイス。邦題が『ジェリー・ルイスの双子の鶏フン大騒動』。
……………えー………………。
気を取り直して検索すると英語版Wikipediaに項目があった。
Slapstick of Another Kind - Wikipedia
プロットを読むと双子の基本設定は同じだけど、後半スッ飛ばしてる感じ。天才双子は実は○○○だった、っておいおい。拡大家族は? 「もう孤独じゃない!」は? これはひどくひどそうだ。
ジェリー・ルイスはこの映画でゴールデンラズベリー賞最低主演男優賞にノミネートされたそうで。
さて、YouTubeにこの映画の断片でもあがってないだろうか、と思って検索したら最初に出たのがこちら。
YouTube
なんだこれ、と思ってみたら、映画レビュー番組らしい。出てるのがRoger Ebertとかいうおっさん、なんか聞いたことあるなー…と思ったらそうか、超有名な映画評論家だ。
wikipedia:ロジャー・エバート

翌1976年、彼はシカゴ・トリビューン紙の映画記者ですでにテレビ番組の司会も行っていたジーン・シスケルと組み、シカゴの公共テレビ局WTTW制作による映画レビュー番組『スニーク・プレビューズ(Sneak Previews)』の司会を始めた。この番組では二人が新作映画2本を紹介し、見所や評価を論じあうほか、番組最後には「ドッグ・オブ・ザ・ウィーク」と称してそれぞれがその週最悪の映画をユーモラスにこき下ろすコーナーもあった。1978年には公共放送ネットワークPBSによって全国へ配信され人気番組となった。1982年、二人はトリビューン・グループの経営する商業放送局に移籍し『アット・ザ・ムービーズ(At the Movies)』の司会となり、後にディズニー傘下のブエナ・ビスタ・テレビジョンへ移って『シスケル&エバート&ザ・ムービーズ(Siskel & Ebert & The Movies)』の司会になった。
異なる映画観を持つ彼らは、新作映画紹介でそれぞれの観た感想や評価を述べるが、互いの評価が異なることも多くしばしば擁護派と否定派に分かれてエキサイティングな議論を展開した。最後にそれぞれがサム・アップ(親指を立てる、おすすめ映画のサイン)かサム・ダウン(親指を下げる、おすすめしない映画のサイン)を行うが、視聴者の番組に対する反響や人気は大きく、二人ともが評価する「サムズ・アップ」や、二人ともが酷評する「サムズ・ダウン」の映画は観客数に影響が出ることもあった。ローランド・エメリッヒは、監督作『スターゲイト』が酷評されたことから、後の作品であるハリウッド版『GODZILLA』に、この二人をモデルにした人物を、無能な市長とその補佐官として登場させている。

Youtubeにあがってるのがそのロジャー・エバートジーン・シスケルの『アット・ザ・ムービーズ』なんですね。1984年の。オープニングが妙にもっさりしてて可笑しい。
この回では"Slapstick of Another Kind"と"Up the Creek"という映画がとり上げられてて、"Slapstick of Another Kind" はやはり酷評されてる模様。まあ実際、紹介されてる映像を見ると、酷いねこりゃ。
ところでもう一本の映画は"Up the Creek"……どこかで観たような……そうだこれ、『史上最悪のボートレース ウハウハザブーン』ではないですか。2ch実況で妙に人気の。「ウハウハで行くか!!」 「ザブーンだな!!」の名台詞で知られる。知られるのか。
嗚呼亜米利加1984