宇宙の白鳥(3)、ミス・ポピーシードのメルヘン横丁

山本ルンルンの単行本2冊。

宇宙の白鳥(スワン)〈3〉

宇宙の白鳥(スワン)〈3〉

相変わらずの良質なジュブナイルまんが。かつての海外ユーモアSFの味を、なぜ山ルン先生が出せるのか本当に謎です。この人別にマニアックなSF読みじゃないと思うんだよね知らないけど。でもこの味は本物だという気がする。
ミス・ポピーシードのメルヘン横丁 (まんがタイムコミックス)

ミス・ポピーシードのメルヘン横丁 (まんがタイムコミックス)

ここんとこ児童マンガ専門だった山ルン先生が久々に一般向けの雑誌で描いた作品。かーいらしいファンタジィ・コメディ仕立ての作品ですが、黒いときはとても黒い。ほろ苦い味がたまりません。収録作の「ミス・ウェンディ」なんか、老女の晩年を描いた作品なんだけど、変な情に流れることもなく、孤独の中の充足、尊厳のようなものをきっちり描いていて凄い。

この二冊はどっちも、早川書房で言えば(なんだそれは)浅倉久志が気に入りそうな感じというか、つまりその、どこか懐かしかったり"奇妙な味"だったりする好短編ぞろい。とてもスキな筋であります。