諸星大二郎『私家版魚類図譜』

私家版魚類図譜 (KCデラックス モーニング)

私家版魚類図譜 (KCデラックス モーニング)

あとがきで作者も書いてるけど、前に出た『私家版鳥類図譜』と並べて眺めると装丁がそろってちょっといい。『鳥類』に比べると『魚類』の方はややグロテスクな感じがしました。『魚の学校』に『栞と紙魚子』に出てきた公園のお母さん三人組がちらりと出演してた。ロラン・トポルエドワード・ゴーリーみたいな幻想的ブラックユーモアの世界にどんどん近付いてるなー。それは作者の以前からの作風の一つではあるんだけど、最近はもっぱらそちらばかりのような。以前SFや伝奇で描いたような、強烈な驚異の感覚を味あわせてくれる作品もまた描いてほしいものです。まあ読者の勝手な願いだけど。