大塚英志『戦後まんがの表現空間』

戦後まんがの表現空間―記号的身体の呪縛

戦後まんがの表現空間―記号的身体の呪縛

テヅカ・イズ・デッド』から遡るようにいろんなまんが評論を読んでます。
長編評論かと思ってたけど少し違って、評論・書評・まんが時評がおさめられている。90年代初頭に書かれたまんが時評は今読むと懐かしい感じ。
評論の着眼点は常に面白いんだけど大塚氏の書き方は力技が目立つというか、目的地を定めたら少々の交通違反は気にせずに進んでるっつーか、まーその面白いんですが普遍的な議論に落とすにはもう一段階作業しなきゃいけない感じかなと思った。でも読み物としてはこの強引さも面白いです。中でもやはり手塚における記号的身体の"呪縛"という着眼点は際立ってたと思う。