カート・ヴォネガット

カート・ヴォネガットが亡くなったそうで。
84歳。

二年前にネットで彼の動画を見た時、彼がずいぶん年とったことに驚いた。
年とったなあヴォネガット - 鳩メモ
最後の小説は『タイムクエイク』(1997)か。
最近は、さすがにもう新作は期待してなかった。
書くことをやめた作家は、読者にとってはだんだん透明に、見えなくなっていく。
だから亡くなったといわれても驚きはしない。偉大な作家はだいたい亡くなっているわけだし。

最初に読んだのはなんだっけ。『スラップスティック』か?あれが最初ってのはキツいな。『スラップスティック』を最初に読んだときは、なんだかわからなかった。
『猫のゆりかご』を高校の時に読んだ。そのあと何度も繰り返し読むことになった。
それから『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』を読んで、『タイタンの妖女』を読んで、『プレイヤー・ピアノ』を読んで、『チャンピオンたちの朝食』を読んで、『母なる夜』を読んで、『ジェイルバード』を読んで、『ガラパゴスの箱舟』を読んで、『青ひげ』を読んで、『ホーカス・ポーカス』を読んで、遅ればせながら『デッドアイディック』を読んで、『タイムクエイク』を読んだ。 『スラップスティック』はその途中で読み返した。
その他いろいろ。

いや、最初に出会ったヴォネガット講談社文庫『世界ユーモアSF傑作選2』収録の『ザ・ビッグ・スペース・ファック』だったかもしれない。確か小学生の時に読んだんだ。もちろん、あの気違いじみたユーモアは小学生には分からなかったけれど。大体ファックの意味もわかんなかったし。

学生の時に秋葉原ですれちがった外人がヴォネガットそっくりに見えて、「え?」と思ってふりかえったことがある。もちろんそんな時、そんなところにいるはずはない。
本物を一度見たかったな。



私はあなたの本をずいぶんいろいろと読みました。それが良かったのか悪かったのかは分かりません。
ともかく、あなたの本の中で泣いたり笑ったり考え込んだりしました。
今もその続きです。