シネマ・ハスラー『曲がれ!スプーン』

TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル内の映画批評コーナー『シネマ・ハスラー』をポッドキャストで聴いた。今回は『曲がれ!スプーン』。
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20091212_hustler.mp3 (11分30秒から)
ダメダメな映画を殺るときの宇多丸さんは生き生きしてて楽しいなあ、というのはまあいつもの感想。
それに加えて、この回はニセ科学批判の視点からも良かった。いや、別に宇多丸さんはニセ科学批判をしてるわけではないんだけど、ある種のメディアにありがちな"ダメな科学観(ダメな科学批判)"とでもいうようなものを強く批判している。

たとえばこの映画の中で繰り返しね、「世の中には超常現象を茶化すような番組があって、世の中の人はこんなに夢が無い」みたいに扱うんですけど、まずさ、大前提として言わしていただきたいんだけど、UFOを信じるということと、超能力を信じるということと、そしてサンタを信じるということは、まったく次元が違うことだから、その三つはさぁ!
なおかつ、結構こういうことをいう…特にいいかげんなドラマとかでたまに出てくるセリフで、「科学者は科学で説明できることしか信じないけど世の中には科学で説明できないことだってあるんだよ」みたいな説明、よく出てくるじゃない。
まず…まずね、科学ってそういうことじゃねえから
科学は、もちろん現在の科学で説明しきれない部分が世の中にあることはわかってますよそんなことは。それでなんてーの、勝手に「科学を信じているやつは」みたいな、勝手にそういうのを悪者にする視点の浅はかさ? 「科学を信じているやつ=夢が無いやつ」というこのどうしようもない考え方? この、カール・セーガンに化けて出てきて欲しいですけどね!
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20091212_hustler.mp3 (30分ごろ)

セーガン氏も悪霊になって出てくるってなもんですよ。

カール・セーガン 科学と悪霊を語る

カール・セーガン 科学と悪霊を語る

「世の中には科学で説明できないことがあるのですよフフフ」「いやそれは科学者もわかってるんですが」ネットでもう何度このやりとりを目にしたことか。科学者も同じ世界を前にして生きているという想像力に欠けているのは、えてして自称「夢がある」人達のほうだったりする。