準備運動

ゴートゥーYCAM
博多から山口・湯田温泉まで、鈍行列車で4時間弱。
ヒマつぶし用に図書館本の斎藤美奈子文章読本さん江』を読んだ。評判通り大変面白かった。谷崎以来の「文章読本」の系譜を追い、日本の作文教育の変遷、そして「文章」とは結局なんなのか、というところまで迫る。人が文章を書く事の謎の全てが明らかにされる…とまでは言わないけど、大きな謎の輪郭はかなりはっきり浮かび上がってきます。斎藤さんは名探偵だな。第1回小林秀雄賞だそうで、なるほどこれは考えるヒント。
読み終えてしまったのでヒマつぶし用のもう1冊、デヴィッド・ロッジ『考える…』を読みはじめた。意識と認知について研究する科学者と、夫を亡くしたばかりの作家が大学村の中で出会う。科学者は研究の為に自分の思考をレコーダに口述し、作家は昔ながらの日記を書いている。読みはじめてしばらくして気付いた。前に読んだな、これ。それもわりと最近。近所の小さな図書館で、ロッジならまず間違いなく楽しく読めるだろうと借りてきたんだが、前にも借りてたか…
しかし前に読んだにもかかわらず内容あんまり憶えてないのな。そのせいで面白く読めるが、読んだけど忘れてるってのもなんだかなぁと複雑な気持ちになりつつ、途中まで読んだところで、目的地の湯田温泉についた。

駅の横に巨大な狐がいた。