ずらせP

あたらしいアルバムが発売日オリコンデイリー一位だったそうでおめでとうございます。しかし一位てのはなんかちょっと危険な気がする。あの人たちはこう、関係者がそれぞれに明確にベクトル持ちつつも相互にズレてるその隙間が魅力の源泉、ではないかと思うので。でも一位とるといやおうなく矢印が一点に集まりそうで。カネも人も集まるだろうし。いやそれはいいことだけど。ただどうも全ての部品が一つの意図に沿って組み合わさったとたん全体が崩れはじめるんじゃないかって気が。おお、それってコンピューターシティのPVみたい。自分でも何を言ってんのかいまひとつわかんないが。まあなんつうか集中するのは集中しろ(金とか人とか)! でも、どっかずれていてくれ! と思う。
セラミックガールの歌詞に"It's brave new world"ってあって、それってオルダス・ハクスリーの古典ディストピアSF『すばらしき新世界』、さらに元ネタたどるとシェイクスピアだっけ、すごいとこから持ってくるなーと思ったけど別の何かを経由してるのかもしれん。しかし歌詞面白いね。基本的に"キミ"と"ボク"の関係をうたうラブソングなんだけど、この抽象性はなんだろう。なんつーかな、たとえば「マカロニ」なんてのはなんとなく聴くと恋愛中の気持ちをマカロニスープの温かさにたとえた歌、だと思うんですが、歌詞読むとマカロニに触れる言葉はほとんどなく、

これくらいのかんじで いつまでもいたいよね
どれくらいの時間を 寄り添って過ごせるの?
これくらいのかんじで たぶんちょうどいいよね
わからないことだらけ でも安心できるの

ってな具合の抽象的な叙述が続くのだった。メタファーとしてのモノがあまり登場しない、登場しても控えめ、な感じ。それでちゃんと巧みな歌詞になってるのが不思議。ワイアフレームCGで描く恋愛というような趣。確かにこれ書いた人は電池が常食なのかもしれん。