『透明な対象』(ナボコフ)

透明な対象 (文学の冒険シリーズ)

透明な対象 (文学の冒険シリーズ)

最初は喫茶店マクドナルドでぱらぱらと読んだ。二度目は家で一気に通読。二度目の方が楽しめた。三度目はもっと良くなるんだろうと思うけど図書館で借りた本なので返さなければならない。細かい部分に目を凝らせば凝らすほど新しい図が出てくるような小説でした。全ての言葉を記憶しながら全体を眺めるように読むことができたら最高だろうが、そんなことはできない。つーか、まあ先に読んだ部分を忘れてページを繰って確認するのも読書の楽しみだな。スイスを4度訪れた編集者の物語なのだけど、彼の"再訪"はそのまま言葉を再読することの隠喩のようでもある。とするとあのラストは読者への呪いなのか…ってわけでもないでしょうけど。