広島に移動

広島国際アニメーションフェスティバルを見に広島に向かう。期間は24-28日だから、もう最終日前日なんだけど、広島のアニメフェスは最終日に入賞作を上映するので、他の日が見られないならできるだけ最終日を、ということになる。

姫路の手前で、雨のために電車が止まってしまった。仕方なく小さな駅で降りて、JRの用意した代替バスを一時間待つ。どこなびで組み立てた乗り換えスケジュールも無効になってしまった。中高生の一団が同じようにバスを待っていて、女の子がハガレンを読んでいた。
その駅前にあった、あんまりな名前の床屋さん。

予定から大分遅れて広島に到着。会場まで歩いた。

途中で見かけた飛行機雲。
会場に着き、とりあえず口切りでなんか観ておこうということで、フランスのアニメ『アズールとアスマール』を観た。PS2のゲーム『ICO』をちょっと思い出す様式的なCGアニメーション。色彩はたいへん美しい。主人公の青年のデザインが若干無気味でなじめなかったけど、小さくて元気な王女のキャラが楽しくて良かった。アクビちゃんみたいでかわいい。
それから会場の展示を少し回る。ルネ・ラルー作品の原画や絵画作品、イギリスのフィル・ムロイによるマンガ作品、スイスのマンガ作家たちの作品等を見た。フィル・ムロイの作品は水墨画調でしりあがり寿みたい。
その後会場に来ていた友人達と合流し、コンペティション作品を観た。広島国際アニメフェスでは毎日夜にコンペ作品の上映があって、最終日にそのコンペ作品の中から入賞作が発表される。
うろおぼえで感想メモ

フォッグ/エミリオ・ラモス
独特のキャラデザインが面白かった
インソムニア/ウラディミール・レスチョフ
不眠症の男の一夜。夜に漏れる白い光が眩しい。
ビフォア/ガボール・ウーリッヒ
動きが激しくて面白いアニメだったけど、デジタルの荒いドットが目立つのがちょっと気になった。
ラビット/ラン・ラケ
これは花輪和一ですな。キッチュな絵柄の使用、異教的な偶像の登場、ストレートでブラックな因果応報オチ、どれをとっても花輪和一。すごく面白かった。
ミルク/イゴール・コヴァリョフ
東欧系不条理アニメとデヴィッド・リンチが融合したようなドラマ。ハードコア不条理タッチで家族の情景を描く。
マイ・スモール・ドールハウス/ユミ.・ヤン
人形の家を題材に語られる、女性の自立についての寓話。いかにも女子学生っぽい作り。絵柄がちょっと懐かしい感じでよかった。
ソロ・デュエッツ/ジョセフ・フェルタス
人形アニメ。けっこうよくできてた気がするが、人形が目隠しして歩く最初と最後のシーンしかおぼえてない。
ブラインドマンズ・ブラフ/イサベル・エルグエラ
街角の小さな出来事の連鎖を多視点で描く。画面のレイアウトの移り変わりが鮮やかで面白かった。
セントラル・スイス/ポール・スイス
スキー場で人物を画面の中心において低速度撮影したカットをつなげたもの。昔のミニマリズムの実験映画という感じですなあ。
ルール・オブ・ローズ/花房真、木村祥郎
耽美的でゴシックホラーな3DCGアニメ。技術的にはすごくて、ほとんど実写にしか見えないカットもあるのだけど、声の演技と動作がジャパニメーションしていて気持ち悪い。生々しい金髪碧眼キャラの中に日本人が入って動かしているという、妙な無気味さを感じる。
トラジック・ストーリー・ウィズ・ハッピー・エンディング/レギナ・ベッソア
鼓動が周囲に響く少女の物語。白黒の版画風のグラフィックは面白かった。
キャン・ユー・ゴー・スルー?/ユーヨン・パン
「マイ・スモール・ドールハウス」と同じで韓国のアニメなんだけど、これもフェミニズム的テーマで、韓国じゃそういうのが流行ってるのかね、とちょっと思った。
マイラブ/アレクサンドル・ペトロフ
老人と海」のアレクサンドル・ペトロフの作品。技術的にはとんでもなく高い。ストーリー・演出はおっそろしくベタですが、そういうことはどうでもよくなるくらい技術的にすごい。どう撮ったか考えるだに気が狂いそうになる動画の連続。