テレビは常に尻馬に乗る

まあ報道というのが物事を事後的に追いかけるものである以上、多少は仕方の無いことでしょうけど。

それにしても昨日のテレビのホリエモン逮捕報道ラッシュはすごかった。というかヒドかった。水に落ちた犬を上から足で踏み付けて棒で突きまくるようなものすごい攻撃っぷり。ああいうときは、テレビに一つの人格を感じますね。それも一つのテレビ局=一つの人格じゃなくて、テレビ全体が一つの人格を持っているように見える。
各局の報道番組でキャスターやゲストがコメントをしてるのを見て何かに似てるなと思った。あーあれだ、炎上したblogのコメント欄に似ている。数が多すぎて匿名的になっちゃってるコメント、ループする話題、掘り返される過去、裏に感じられる嘲笑。
あれはやっぱり、大衆社会ってやつかね。みんなが他人の意見に次々にタダ乗りして、安全な側、叩く側に回ろうと急ぐ。まあ、私もそれを見てるわけですけどね。

ホリエモン拘置所に移送する車の空撮を見ながら、まるで筒井康隆の小説みたいだと思った。筒井が70年代に戯画化した大衆社会・メディア社会の構図が21世紀になっても少しも変わんないってのは、これはもう、ずっとこんな調子でいくのかね、私達は。