肝心の月食は見逃しました。
深夜にコンビニに行くために外に出ると、月のりんかくが非現実的なまでにくっきりとした円を描いています。何かリフレッシュされている感じ。食明けだからか。
ぼんやり見上げながら歩きました。子供の頃読んだドリトル先生の中で、月食を地上で眺める場面があったのを思い出しました。あの少年(名前なんだっけ->ググる->トミー・スタビンズだった)が動物の仲間たちと一緒に欠けていく月を眺めるところ。あの時、ドリトル先生はいたんだっけな。月食の原理(地球の影が月を隠す)の説明をトミー少年かドリトル先生のどちらかが語って、それで動物の誰かが、“それなら私がしっぽを振ったら月に映った影がしっぽを振るのが見えるのかな”というようなことをいっていたように思います。
ドリトル先生は月にもいったんだよな。たしかでっかい蝶の背中に乗って。酸素マスクのかわりに特殊な花を口に当てて。
実家には岩波のドリトル先生の全集があって、幼い頃に何度も読み返しました。あれが私の、最初の本格的な読書経験だったと思います。何度も繰り返し読んだのに、今となってはストーリーはろくに思い出せません。ただ細かな断片を覚えていて、たまにそれが生々しくよみがえってきます。ものごころつく前に読んだ本というのはそういうものだと思います。